第11回 品質工学技術戦略研究発表大会(RQES2018A)

あらゆる分野に評価でイノベーションを -技術マネジメントに品質工学を-

開催概要

 第11回品質工学技術戦略研究発表大会(RQES2018A)を下記の通り開催します。一昨年に品質工学会は創立25周年を迎えたことを機に,田口玄一名誉会長から提起された「社会の自由の総和の拡大」の実現を目指して,ビジョン30活動をスタートしました。前回に続き今大会でも「技術マネジメントに品質工学を」とのテーマで議論を進めます。品質工学でいかに技術開発を行うか,さらに,品質工学で確立したコア技術を,いかに企業内で体系化し総合化するかを確認し,議論していきたいと考えます。会員の皆さんの積極的な参加をお待ちしています。

テーマ あらゆる分野に評価でイノベーションを -技術マネジメントに品質工学を-
日 時 2018年11月30日(金) 10:00-17:00(受付は9:30より開始予定)
場 所 星陵會舘ホール [地図](別ウィンドウで開きます)
東京都千代田区永田町2-16-2 TEL:03-3581-5650
参加費
(予定)
品質工学会員 10,000円,非会員 20,000円(定員400名になり次第,締切ります。)
懇親会
(予定)
星陵會舘内レストラン「シーボニア」(定員100名になり次第,締切ります。)
懇親会参加費 7,000円(懇親会のみの参加はできません。)
主 催 一般社団法人 品質工学会
 

参加申込

 参加申込みのWeb受付を開始しました。品質工学会員,非会員ともに下記リンク先よりお申込みいただけます。
 
   参加申込みWeb受付(品質工学会員,非会員共通)
 
 なお,申込数が定員に達した場合,参加申込を締め切ります。参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。
 参加申込みをされた方には,参加券および参加費請求書をお送りします。参加費については,請求書に記載の振込先に支払期限までにお振り込みください。

プログラム

10:00 ~ 10:10 開会の言葉
谷本 勲(品質工学会会長)
10:10 ~ 10:50 基調講演
 イノベーションにおける品質工学の役割
吉澤正孝(クオリティ・ディープ・スマーツ(有組))
10:50 ~ 11:30 研究発表1
 「バーチャル評価法」への期待と課題
田村希志臣〇,倉地雅彦(コニカミノルタ(株)),埴原文雄(元 コニカミノルタ(株))
11:30 ~ 12:10 研究発表2
 バーチャル評価による顧客・技術者の暗黙知の可視化 -開発テーマの方向付け,研究前の情報収集等への適用事例の紹介-
上杉一夫〇(上杉技研),安藤欣隆,長井美鈴,秋元美由紀,岸 知男(ヱスケー石鹸(株))
12:10 ~ 13:30 昼休み
 - 一発完動企業アルプス電気(株)の技術戦略 -
13:30 ~ 14:10 品質工学会日本規格協会理事長賞受賞記念講演
 アルプス電気における品質工学の展開
天岸義忠〇,佐々木市郎(アルプス電気(株))
14:10 ~ 14:50 研究発表3
 車載モジュール製品の構造解析による保形性の最適化 -基本設計段階でのパラメータ設計によるロバスト性の作り込み-
三森智之(アルプス電気(株)) 
14:50 ~ 15:30 研究発表4
 プロセス系製品におけるT法を活用した有意要因抽出と品質改善の展開
中沢和彦〇,大平 健(アルプス電気(株))
15:30 ~ 15:45 休憩
15:45 ~ 16:55 パネル討論「もう任せられない!! 品質工学で実践する”真の”働き方改革」
司会:二ノ宮進一(日本工業大学)
パネリスト:各発表者
16:55 ~ 17:00 閉会の言葉
17:15 ~ 懇親会 (別途,参加申込みが必要です。)
 

発表概要

[基調講演]
 イノベーションにおける品質工学の役割

吉澤正孝(クオリティ・ディープ・スマーツ(有組))

 
 品質工学会25周年を迎えたのを機会に学会としての「理想をめざして 新たな品質工学への道」を定めた。その中で30周年にむけてビジョン30を制定した。ビジョン30は,品質工学の活動の道標として「あらゆる分野に評価でイノベーションを」を掲げた。
 今日の世界を見渡すと,いたるところにイノベーションが起きている。それは既存のものとサービスの提供と消費活動を刷新すると同時に破壊させるとしている。刷新する側は挑戦であり,破壊される側は生き残るために,自らイノベーションを起こさなければならない。今や,多くの組織活動にイノベーションが不可欠な時代となっている。そこでイノベーションを理解し,品質工学がどのように貢献ができるか,そして,そのための品質工学をどのように変化させていくのかの方向性を考える。


[研究発表1]
 「バーチャル評価法」への期待と課題

◎ 田村希志臣,倉地雅彦(コニカミノルタ(株))
埴原文雄(元コニカミノルタ(株))

 
 コニカミノルタの坂本らがQES2007にて報告したプリンタユーザビリティ評価のユニークな取り組みは、バーチャルパラメータ設計(VPD)と称される設計手法として注目を集めた。その後、VPDに代表されるバーチャル評価を活用した成果事例報告は増加の一途にある。同時に、バーチャル評価の活用目的、活用対象も様々に拡がっている。
本発表では、バーチャル評価の提案から10余年を経た今、あらためてバーチャル評価が開発設計の現場に何をもたらしたのか考察したい。また、バーチャル評価は、今後さらなる活用の拡がりを見せるのか、活用拡大にあたっての課題は何か、私の考えるところをお伝えしたい。大会当日は、バーチャル評価が開発設計のあるべき姿の実現に貢献する可能性について、会場の皆さんと前向きな議論をしたいと考える。


[研究発表2]
バーチャル評価による顧客・技術者の暗黙知の可視化 -開発テーマの方向付け、研究前の情報収集等への適用事例の紹介-

◎ 上杉一夫(上杉技研)
安藤欣隆,長井美鈴,秋元美由紀、岸 知男(エスケー石鹸(株))

 
 ヱスケー石鹼においては、2012年以来、バーチャルパラメータ設計の数々の事例を実践してきた。そして、次第にパラメータ設計以外にも活用できることがわかってきた。したがって、その手法名を「バーチャル評価」と呼ぶことにした。バーチャル評価とは、人間の頭の中にあること(暗黙知)を直交表と要因効果図で明示することであり、そのねらいとは、開発設計・工程設計等のローコスト化・ハイスピード化だけでなく、技術者の能力向上や、より上流側の技術開発や製品開発等へのテーマ抽出や方針決定に役立てることだと考える。
 今回の発表では、ヱスケー石鹼が実践した事例を時系列で紹介する。最初にパラメータ設計として実践した事例「化粧品処方へのバーチャルパラメータ設計の応用」を紹介し、製品開発方針の決定を目的とした事例「石けんにおける洗濯方法の提案及び石けん開発のためのテーマ抽出」、技術開発テーマの方向付けを目的とした事例「洗浄剤設計のための技術開発」の紹介を行う。


[品質工学会日本規格協会理事長賞受賞記念講演]
 アルプス電気における品質工学の展開

◎ 天岸義忠,佐々木市郎(アルプス電気(株))

 
 アルプス電気のものづくりの姿勢は「美しい電子部品を究める」という言葉に凝縮されている。「美しい電子部品」とは、「Right(最適な)」「Unique(独自性)」「Green(環境にやさしい)」を兼ね備えたもの、すなわち洗練された外観のみならず、求められる機能を高い品質で実現し、かつ省エネルギーや省資源など環境にも十分に配慮された製品のことである。
 事業体質を強化しながらそれを具現化するため、当社では今世紀初頭に品質工学を導入した。一発完動(製品、金型、設備が一発で完全に動く)のスローガンを掲げ、DM(Digital Manufacturing)活動を展開した。品質工学を中心的な方法論と位置づけ、推進トップの号令の下、実践部隊による教育・啓蒙活動、実際の取り組みへの参画により、成果につなげることができた。その後、担当役員交代、リーマンショック、東日本大震災等、取り巻く状況には変化があったが、活動は継続され、現在に至っている。
 百年に一度といわれる大変革期を迎え、ロバストな新製品(新商品)をいち早く創出することが、ますます重要になっている。品質工学をどう活かしていくか、あらためて問い直しながら、取り組みを進めているところである。


[研究発表3]
 車載モジュール製品の構造解析による保形性の最適化 -基本設計段階でのパラメータ設計によるロバスト性の作り込み-

◎ 三森智之(アルプス電気(株))

 
 ヒーターコントロールパネルなどの車載モジュール製品は車室内のデザイン性を重視した複雑な3次元形状や軽量化による薄肉に加え、操作系スイッチはノブとパネルの隙間やガタの極少化など、クリアランス設計、強度設計が年々難しくなっている。特に車両への取り付け負荷による製品内部への影響が操作感触の不具合につながるなど、内部構造設計が課題となることもあった。
 この課題に対して基本設計段階で車両への取り付け負荷に対する内部影響を評価したパラメータ設計を実施。この設計情報をその後の詳細設計に活用することで、取り付け負荷に対するロバスト性を確保した製品につなげることができた。この取り組みの有効性は車載製品の設計にとって共通であったことから、多くの機種で同様の取り組みが行なわれることとなった。
 発表では、起点となった事例「車載モジュール製品の構造解析による保形性の最適化」を発表するとともに、その取り組みの広がりによる効果とその後の状況について報告する。


[研究発表4]
 プロセス系製品におけるT法を活用した有意要因抽出と品質改善の展開

◎ 中沢和彦,大平 健(アルプス電気(株))

 
 当社では薄膜の積層成膜工程を持つ製品を複数機種生産している。これらの製品は工程数が多く、結果が出るまでのリードタイムが長い。従来は、製品の最終検査で不良が発生した場合、その原因となりうる工程・要因が多数存在することから、真の要因の特定に時間が掛かり不良ダメージを拡大させてしまう傾向があった。この課題に対してT法を活用し「寄与度」を指標とすることで、不具合要因の推定を円滑に行えることを確認、社内で多くの適用事例を積み重ねてきた。
 本発表では、一般的に用いられている項目診断の指標「SN比」と「寄与度」の比較、単位空間の設定方法の工夫等、T法を有意要因推定に活用する場合の方法を紹介する。併せて、パラメータ設計を連携させた事例も紹介し、生産情報データベースとの連携も含めた今後の展開について述べる。

これまでの開催履歴

大会についてのお問合せ

品質工学技術戦略研究発表大会に関するお問い合わせは, 品質工学会事務局までお願いします
  品質工学会事務局 中山,金野(こんの) 

  ・ TEL (03) 6268-9355  ・FAX (03) 6268-9350