第31回 企業交流会
企業交流会 JAXA 筑波宇宙センター のご案内
第31回企業交流会は盛会のうちに終了しました。交流会の開催にご協力いただきましたJAXA筑波宇宙センターの皆様、JAXA設計標準ワークショップの皆様に感謝申し上げます。
開催案内
第31回企業交流会を国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターとの交流会として,品質工学会とJAXA設計標準ワークショップと共同で開催いたします。メインテーマは「高信頼性システムのシステムズエンジニアリングのための評価」とし,具体的には少量生産における予測評価,信頼性評価,ロバスト設計技術の方法に絞って,どのように取り組むかについて発表と討論を行います。今回はオンラインでの開催となります。
テーマ | 高信頼性システムのシステムズエンジニアリングのための評価 〜品質工学の活用と課題を探る〜 |
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日 時 | 2020年3月6日(金) 2020年9月4日(金) 10:00-17:30 |
交流機関 | JAXA筑波宇宙センター |
開催形式 | オンライン開催(現地会場はありません。) |
定 員 | 100名 120名(品質工学会員が優先となります。) |
申込締切 | 2020年8月19日(水) ただし,定員になり次第締め切ります。参加ご希望の方はお早めにお申込みください。 |
参加費 | 会員9,000円 非会員18,000円 |
主 催 | 一般社団法人 品質工学会 |
共 催 | JAXA設計標準ワークショップ |
参加申込(追加分)
追加分の参加申込締切は8月19日(水)となります。参加ご希望の方はお早めにお申込みください。
プログラム
10:00 | ビデオ上映:JAXA筑波宇宙センター,ロケット,衛星開発などの紹介を予定 |
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12:00 | 休憩 |
13:00 | 開会挨拶 ・品質工学会前会長 谷本 勲 ・JAXA安全・信頼性推進部 部長 上森規光 |
13:10 | 講演「ロケットエンジンの信頼性向上 」 |
JAXA 沖田耕一 | |
14:00 | 壇上発表 |
(1)スカイアクティブ成功への道 | |
マツダ(株) 武重伸秀 | |
(2)単位空間を動的に生成する事による機械設備・プラント異常診断の精度向上 | |
(株) IHI 茂木悠佑 | |
(3)JAXAのロバスト設計ハンドブックの概要と今後の適用について | |
JAXA 角 有司 | |
(4)QFDとロバスト設計を組み合わせたロケットターボポンプ用タービンの最適化 | |
JAXA 川崎 聡 | |
16:00 | パネルディスカッション「高信頼性システムのシステムズエンジニアリングのための評価」 |
司会:JAXA 角 有司 パネリスト:講演者,壇上発表者 |
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17:30 | 閉会挨拶 ・品質工学会会長 椿 広計 ・JAXA信頼性統括 泉 達司 |
講演の概要
講演「ロケットエンジンの信頼性向上」
ロケットを含む宇宙輸送システムは、高い信頼性に基づいた「性能」「低価格」及び「運用性」が要求され、その中でも、ロケットエンジンは、ロバスト性が第一であり、常に高い信頼性・安全性が要求されている。現在H3ロケット開発中である、新たなロケットエンジンの開発などに対して、開発初期段階、設計段階における、品質工学、QFDなどを活用した信頼性向上活動について紹介する。
壇上発表の概要
発表(1)「スカイアクティブ成功への道」
2008年のリーマンショック後、日本経済は急激に悪化し、弊社は開発資金に苦労する事態となった。しかし、それまで支えて下さった地元広島の皆様を裏切る訳にはいかず、お客様に満足頂くにはどのような商品を開発すべきか、お金と時間を掛けないでどのように開発すべきか考え抜いて商品化したのがSKYACTIV-Gである。そこでは開発部門のみならず生産部門とも一体となり、品質工学やCAEなどを駆使して大幅に開発効率を高め、難局を乗り切ることに成功した。その経緯を紹介する。
発表(2)「単位空間を動的に生成する事による機械設備・プラント異常診断の精度向上」
IHIでは,MT法を用いたプラントなどの異常診断システムの実用化に取り組んできた。この取り組みの中で,(1)稼働状況がダイナミックに変動する (2)季節変動の影響を受ける などの診断対象で問題となる,「誤検知」「未検知」に対応するため,診断毎に単位空間を最適化する「動的単位空間」手法と,生成された動的単位空間を評価し,最適な判定閾値を設定する「動的判定閾値」手法を用いて,検知精度を大きく向上させた。
発表(3)「JAXAのロバスト設計ハンドブックの概要と今後の適用について」
近年の宇宙開発競争は厳しさを増しており、新たなミッションを創造の実現と、より高い信頼性とコストダウンの両立が望まれている。JAXAでは、これまで職員向けの研修を通じて品質工学の活用を推進し、様々な開発において品質工学の適用が進められてきた。また、2019年度からは、JAXA、宇宙機メーカ、品質工学会会員、等で構成される委員会を設立し、標準化活動に着手した。本発表では、検討中のロバスト設計ハンドブックの概要について報告するとともに、適用に向けた課題について報告する。
発表(4)「QFDとロバスト設計を組合せたロケットターボポンプ用タービンの最適化」
ロケットターボポンプ用タービンを対象に、QFDとロバスト設計を組合せた最適設計の事例を紹介する。QFDによる技術展開を用いて「市場のニーズ」が反映された形での「重要設計パラメータ」を特定し、それらを用いてタービンの不安定化力低減を目的としたロバスト設計による最適化を実施した。その結果、QFDとロバスト設計の弱点をお互いに補強し、「市場のニーズ」に合致した最適化が効率よく行えることを示した。
お問合せ
企業交流会に関するお問い合わせは,品質工学会事務局までお願いします。
品質工学会事務局 金野(こんの)