第16回 品質工学技術戦略研究発表大会(RQES2023A)
社会損失低減へ向けた品質工学の役割
開催概要
今大会より、内容見直しを行い、徹底的に技術戦略を議論する場となるよう、発表と議論の時間を大幅に増やした新しいスタイルへ変更しました! 参加者との議論にて各発表者の研究内容がより洗練されることを期待します。
品質工学における「社会損失低減による社会の自由の総和の拡大」の活動成果と今後の取り組みを議論することを目的に表記大会テーマを設定し下記の通り開催します。
デジタル技術の急速な進展の中で、品質工学はどのように社会貢献ができるのか,新たな方向性を模索する場の一つにしたいと考えています。品質工学の目指すところは社会損失の低減ですが,狭義の損失低減にとどまらず,同時に新たな価値の創造につながることが期待されています。
品質工学会では「社会損失低減による社会の自由の総和の拡大」実現に向け、「これまでの品質工学の普及」および「今後の社会損失低減を図る研究」を取り組んでおりその内容について報告します。また、技術マネジメントとして品質工学をどのようにうまく活用していけるのか、先進企業の取り組み事例の報告も行います。
これらをもとに「品質工学による社会損失低減に向けた具体的活動の提案」について議論を進めたいと思います。
皆様の大会および議論へのご参加をお待ちしております。
開催形態 | ハイブリット開催(実地&リモート) *後日オンデマンド配信も予定しています。 |
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日 時 | 2023年11月24日(金)9:50~16:40 |
場 所 | 星陵會館ホール:都立日比谷高校隣:東京都千代田区永田町2-16-2 TEL:03-3581-5650 http://www.seiryokai.org |
参加費 | 品質工学会員 10,000円,非会員 20,000円(定員200名になり次第,締切り) ライブ配信とオンデマンド配信でのご参加も同額です |
懇親会 | 星陵會館内レストラン コリーナ・デラ・ステラ(定員100名)定員になり次第締切り (懇親会参加費 7,000円 懇親会のみの参加はできません。) |
主 催 | 一般社団法人 品質工学会 |
協 賛 | 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所,(公社)計測自動制御学会,(公社)精密工学会,(一財)先端加工機械技術振興協会,(一社)中部品質管理協会,(一社)電気学会,(株)日刊工業新聞社,(一社)日本画像学会,(一社)日本機械学会,(一財)日本規格協会,(一社)日本合成樹脂技術協会,(公社)日本設計工学会,(一社)プラスチック成形加工学会,(一社)日本能率協会,(一社)日本科学技術連盟,日本クオリティ協議会,(NPO)日本TRIZ協会 |
参加申込
Web申し込みは以下のリンクからお申込みください。
参加申し込みWeb受付
プログラム
9:50 ~ 10:00 | 開会の言葉 |
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椿 広計(品質工学会会長) | |
<セッション1 社会損失低減へ向けた品質工学の研究> | |
10:00 ~ 11:00 (発表40分、議論20分) |
研究発表1 社会課題達成に向けた管理技術の現状と課題 |
武重 伸秀 マツダ㈱ | |
11:00 ~ 12:10 (発表40分、議論20分) |
研究発表2 品質工学による社会損失低減の歴史と今後の課題 |
吉原 均 NMS研究会 | |
12:00 ~ 13:10 | 昼休憩 |
<セッション2:企業での社会損失低減の研究> | |
13:10 ~ 14:10 (発表40分、議論20分) |
研究発表3 品質工学による社会損失低減に対するコマツ流の挑戦 |
細井 光夫,児玉 治 コマツ | |
14:10 ~ 15:10 (発表40分、議論20分) |
研究発表4 マツダにおける社会損失低減に向けた品質管理と品質工学の融合 |
吉村 孝史 マツダ(株) | |
15:10 ~ 15:25 | 休憩 |
<総合討論> | |
15:25 ~ 16:35 | パネル討論「品質工学による社会損失低減に向けた具体的活動の提案」 |
司会:鐡見 太郎 三菱電機(株) パネリスト:各発表者 |
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16:35 ~ 16:40 | 閉会の言葉 |
浜田和孝 品質工学会副会長 |
発表概要
セッション1
[研究発表1]
社会課題達成に向けた管理技術の現状と課題
これまで人類は生活しながら様々な知恵を積み重ねてきており、その一つが管理技術である。これには特に仕事の進め方に関する知恵が詰まっており、仕事に活用しない手はないはずである。ところが日本においては特に1980年代から伝承がうまくできていない企業や団体が増えており、今では先人の知恵を語ることができる方も少なくなっているのが現状である。本報では、まずAI含めたこれまでの管理技術の歴史を振り返り、先人の知恵がどこまで進化したのかを整理する。その上で、今後どのように進化させるのか、またこれを活用し続けるための課題を整理する。
[研究発表2]
品質工学による社会損失低減の歴史と今後の課題
今後の社会損失低減のトレンドを導き出し品質工学の社会貢献の具現化することを目的に、産業の変遷と田口玄一の社会損失への関心に着目し、「標準化と品質管理」(1952年~2006年)に掲載された田口の論説調査から、社会損失低減の歩みを整理した。田口は1980年代までは「機能のばらつき」に焦点を置き、1990年代以降は、地震予測や医療の「使用コスト」の損失低減に注力し、2000年代には企業内技術マネジメントにも取り組んでいた。現在は地球温暖化や公害、廃棄物など多岐にわたる損失低減が課題で、今後の品質工学の方向性を探る。
セッション2
[研究発表3]
品質工学による社会損失低減に対するコマツ流の挑戦
コマツにおける品質工学は2006年の矢野宏指導会に始まり,2011年から若手設計者を対象にした社内の品質工学実務研修として進められてきた。しかしながら,10年以上に及ぶ研修にも関わらず,品質工学が開発・設計の実務で活用されているとは言い難い状況にあった。この状況を打破すべく,2022年に品質工学実務研修を終了して「知識の習得を目指す座学教育」と「実践を目指すRPD活動」の組合せという形に移行した。本発表では「RPD活動」への移行に際して考えた「コマツ流の品質工学」の必要性と,その中核を成すものとして検討を進めている「技術開発の8ステップ」および「商品設計の8ステップ」について述べる。
[研究発表4]
マツダにおける社会損失低減に向けた品質管理と品質工学の融合
品質管理および品質工学で用いられる各手法はそれぞれ体系化されているが、自分たちの業務、特に技術開発領域において本当に役立つものとするために、これまでの取り組みの中で品質管理と品質工学の融合という形で各手法を整備し、成果に繋げてきた。しかしながら、今後さらなる新しい価値創出や社会損失低減を進めていくためには、個別手法の整備・活用だけでは不十分であり、組織全体でプロセスの整備が必要と考えている。そのため今現在、本部方針として「開発のフロントローディング」を掲げ、プロセス整備に取り組んでいるところである。本発表では、これら取り組みについて述べる。
パネル討論
テーマ「品質工学による社会損失低減に向けた具体的活動の提案」
これまで品質工学が成してきたことは「社会損失の低減」と言える。例えば、技術開発の考え方やパラメータ設計の方法は、より少ない投資で後工程や市場におけるトラブルを最小化することに貢献してきた。
品質工学会の前身であるフォーラムが産声を上げてから30年経過した。この間、社会損失をめぐる状況も大きく変化しており、技術を生業とする企業や組織には変化への対応(進化)が求められている。
本討論では、社会や企業の状況変遷を共有した上で、社会損失低減に向けた具体的活動の提案について各パネリストの考えを披露いただき、議論したい。今後の品質工学、ひいては日本の技術や社会の発展の方向が示されることを期待したい。
プロモーション動画
これまでの開催履歴
研究発表大会 過去のプログラム一覧 |
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大会についてのお問合せ
品質工学技術戦略研究発表大会に関するお問い合わせは, 品質工学会事務局までお願いします。
品質工学会事務局 金野(こんの)
・mail rqes@office.rqes.or.jp