第28回 企業交流会
ヱスケー石鹸(株)・NMS研究会のご案内
第28回企業交流会は盛会のうちに終了しました。交流会の開催にご協力いただきましたヱスケー石鹸およびNMS研究会の皆様に,感謝申し上げます。
開催案内
第28回企業交流会を品質工学の研究で大きな成果を上げているヱスケー石鹸と品質工学の実践者の集まりであるNMS研究会の協力のもとに開催いたします。
今回は,技術者の相互交流を高め良好なエコシステムを構築するための取り組みとして,企業の中における品質工学の研究のあり方、さらには企業の組織のあり方について,実践例の発表と討論を行います。
テーマ | 強い技術者を生むためのエコシステム -NMS研究会・ヱスケー石鹸における品質工学の実践- |
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日 時 | 2017年3月17日(金) 10:20-17:00 (工場見学希望者は 9:30-17:00) |
訪問先 | ヱスケー石鹸(株) 川口工場 (埼玉県川口市領家5-9-9) |
協 力 | NMS研究会 |
集合時間 ・場所 |
(1)工場見学希望者: JR川口駅 9:30 集合 (2)上記以外の参加者: 川口総合文化センター「リリア」 11F 大会議室 10:00 受付開始 |
定 員 | 50名 |
参加費 | 会員9,000円(懇親会は別途料金) |
懇親会 | ラウンジリリア |
主 催 | 品質工学会 |
参加申込
参加ご希望の方は参加申込書に必要事項をご記入の上、FAXにて事務局までお申し込みください。後日,参加券および参加費請求書をお送りします。参加費については,請求書に記載の振込先に支払期限までにお振り込みください。
会場の都合がありますので,定員になり次第,参加申込を締め切ります。特に,工場見学は申込先着20名で締切となります。参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。
プログラム
9:50 | ヱスケー石鹸(株) 川口工場見学(希望者先着20名限定) |
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10:20 | DVDによるヱスケー石鹸(株)のバーチャル工場見学 (工場見学に参加されない方が対象) |
11:20 | 開会挨拶 |
ヱスケー石鹸,品質工学会 | |
11:30 | 講演「強い技術者を生むためのエコシステム -NMS研究会における品質工学の実践-」 |
NMS研究会 矢野 宏 | |
12:00 | 昼食 |
12:45 | 壇上発表 |
(1)マクロ視点のためのエコシステムの構築 | |
NMS研究会 上杉一夫 | |
(2)バーチャルパラメータ設計を通したエコシステムへの取り組み | |
コニカミノルタ(株) 埴原文雄 | |
(3)開発プロセスの俯瞰 -ハミガキ剤の開発- | |
ヱスケー石鹸(株) 秋元美由紀 | |
(4)製造段階での工程全体の俯瞰 -組立工程の設計- | |
(株)松浦機械製作所 青木規泰 | |
15:00 | パネルディスカッション「強い技術者を生むためのエコシステム」 |
司会:吉原均(NMS研究会) パネリスト:講演者,壇上発表者 |
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16:50 | 閉会挨拶 |
17:10-18:40 | 懇親会(会場「ラウンジリリア」) |
壇上発表の概要
品質工学会では,マクロ視点による技術開発を議論してきた。製品やシステムの高度化、多様化により,技術者自身の専門スキルの向上や専門家集団の組織化が必要になる一方で、専門家個人や組織間のコミュニケーションが減ってくると,他者,他の組織に対する状況の把握ができなくなり,自分(自組織)の論理のみで業務を進めようとすることになり,技術開発が部分最適に陥ってしまいかねない問題を孕んでいる。
高度な専門家社会で陥りがちなミクロ視点の蔓延を避けるため,良好な(1)人間関係でのつながり,(2)テーマによるつながり,(3)研究関連でのつながり,(4)評価方法でのつながり,すなわちエコシステムの構築が不可欠であり,そのための必要条件は企業のトップ・ミドル・ボトムがテーマの価値を共有することである。個を成長させるには,場の設計が必要であり,実践訓練する場の提供,モデルとなる他の会社,他組織の人との交流を積極的に行う場の設定が重要である。エコシステムの構成員である技術者自身が持つべき能力は「つなぐ力」であるといえる。
良好なエコシステムを構築するための取り組みとして,研究会のあり方,さらには企業の組織の中でのあり方を,実践例を通して追求したい。
発表(1)「マクロ視点のためのエコシステムの構築」
複数の事例のつながりを検討することで,エコシステムの構築がマクロ視点での実践に重要であることが,研究発表大会やNMS研究会での議論を通じて見えてきた。研究発表大会の評価セッションでの論説を紹介し,エコシステムについて議論したい。
発表(2)「バーチャル・パラメータ設計を通したエコシステムへの取組み」
2009年に電子写真プリンタのトナーカートリッジの交換性評価(ユーザビリティ)に始まった弊社のバーチャルパラメータ設計は,園と,照明器具の商品企画(構想検討,2012年),電子写真プリンタのシャッター機構設計(小規模メカ設計,2015年),電子写真プリンタの画像形成システム設計(大規模システム設計,2016年)と活用の幅を広げながら進歩してきた。
その流れの中で培われた,評価の効率化,暗黙知,個人知の共有化による組織活性化、若手育成、全体最適化への取り組み等を紹介する。
発表(3)「開発プロセスの俯瞰 -ハミガキ剤の開発-」
中小企業である当社では各段階を基礎研究,商品企画,製品設計,工程設計を専門に取り組む部署はない。チューニングによる製品設計に偏りがちであった開発プロセスを見直し,上流から研究に着手しハミガキ剤を開発した事例を紹介する。
発表(4)「製造段階での工程全体の俯瞰 -組立工程の設計-」
機械組立時の摺り合わせ工程から出荷までにある」数多くの工程は全て作業者によって行われている。バーチャルパラメータ設計によって,作業者能力評価,教育への展開,従来工程の問題点の発見,上流工程である設計へのフィードバックが可能であることが明らかになった事例を紹介する。
お問合せ
企業交流会に関するお問い合わせは,品質工学会事務局までお願いします。
品質工学会事務局 中山,金野(こんの)